ニッポン全国物産展2021 吟醸祭@池袋サンシャインシティ

ニッポン全国物産展2021 吟醸祭@池袋サンシャインシティに行ってきたのでメモ。
2021/11/21、最終日の閉場90分前くらいに到着したのであまり巡れなかったのが悔やまれる。
あまり主観を含めたくないので聞いた話がメイン。

ニッポン全国物産展|ここでしか味わえない、ニッポン全国の魅力が大集合。今こそ、食べて、楽しんで、みんなで地域にエールを送りましょう。

株式会社大都商会

左から順に。
ピカソ十九代 純米吟醸 出羽燦々
・秘製 ピカソ十九代 純米大吟醸 出羽燦々
・極秘製 ピカソ十九代 純米大吟醸 雪女神
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もともとが貿易の会社で、海外向けに販売をしている蔵らしい。
国内販売の免許を取って今年から国内販売を始めた。
主な輸出先は中国とかアジア圏。
輸送は冬の時期に常温でしている。
海外の飲食店での保存方法は冷蔵されたり常温で置かれたりまちまち。
海外での飲み方は、飲む前に冷やすという飲み方が多い。

ピカソ十九代 | 新都ホールディングス株式会社
日本酒推薦 | 十九代日本清酒 | 五左衛門 純米大吟釀Sake - PBC尚懋生醫

倉本酒造株式会社

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菩提酛で作られたお酒が8種類。
菩提山 正暦寺というお寺で酒母が作られ、その共通の酒母を使って各蔵が添えから仕込んだという8種類。
寺は酒母の製造免許はあるけど清酒の製造免許はないらしい。

忙しそうであまり突っ込んだ話は聞けなかった。

奈良県菩提酛による清酒製造研究会

花の舞酒造株式会社

左から順に。
・Abysse -アビス-
・Abysse Sparkling -アビススパークリング-
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アビスは生原酒。
使用している白ワイン酵母(ブルゴーニュ菌株)は低温に強いらしい。
低温で醪日数30日。
アルコール度数12度。
日本酒度は聞いたけど忘れちゃった、ネットの情報を見るに-18らしい。
吸水歩合を下げるのと、放冷で温度をちゃんと下げることでお米が〆り溶けにくく長期発酵向きの蒸米になるらしい。
具体的な品温は聞いてないけど、原酒で低アルコールで甘めな酒質で醪日数30日引っ張るというのはだいぶ低温なのではないかと思う。
温度調整はサーマルタンクではなく水を回して下げているらしい。

アビススパークリングは瓶内二次発酵の瓶火入れ。
アビスより醪日数短めで、瓶詰めのタイミングで酵母を添加して7日間瓶内二次発酵してるって言っていたような気がする。
火入れの仕方で味が全然変わるので試行錯誤した結果パストライザーでの火入れに落ち着いたらしい。

https://hananomai.co.jp/pr/abysse/
https://hananomai.co.jp/pr/abysse/tastingnotes.html

日本酒醸造管理ツールの技術仕様

以前公開した日本酒醸造管理ツールの技術仕様、主にCognitoの権限とかセキュリティに関して。
一般的に、ここまでセキュリティを高くする必要はないし、明らかにオーバースペックではある。

今回の記事は半年くらい前に書いていた文章。
自分用のメモみたいな。
時が経ちすぎて自分でも結構忘れてるしなんで公開してなかったのかも覚えてないからどこか書き直したいところがあったのかな、覚えてないけどとりあえず公開して供養。
セキュリティの要件ベースでまぁ面白みはないけど、セキュリティにカジュアルな面白みなんて存在しないし興味ある人だけどうぞ。
供養、ナムナム。

セキュリティこだわりポイント

サービスと認証をドメインレベルで完全に分離する

ユーザはサービス開発者が何か悪いことをするのではないかと疑ってサービスを利用すべき。
ユーザはサービス開発者を信じてはいけない。

Federated Identityで認証する場合、自ドメインで開発者が手の届く場所でID/Passを入力させることが出来る。
そのサービス開発者なら難しいことなくJavaScriptでID/Passをスッポ抜くことが出来てしまう。
仮にサービス開発者が善人だとしても、サイトの改ざんや、広告からの良からぬスクリプト実行なども想定するべき。

なので、この2つをしないようにした。
・サービスドメインでID/Passを入力させない。
・サービスドメインでログインボタンを押させない。

したがって、認証用の外部ドメインに飛びOpenIDでログインして、サービスドメインに戻ってくるようにした。
サービスドメインでは認証に関わる入力や操作を一切しない、させない。

一般に、Facebookログインボタンだけが置かれた外部ドメインに飛ぶ方が怪しいらしい。
しかしここは見た目の怪しさよりも実際のセキュリティの高さを優先し最良の方法をとった。

ユーザに必要以上の権限を与えない

サービス開発者はユーザが何か悪いことをするのではないかと疑ってサービスを提供すべき。
サービス開発者はユーザを信じてはいけない。

よくあるのがネイティブアプリだからってDynamoDBとかFirebaseとかの書き込み権限を与えてしまうパターン。
これは良くない。
いくら書き込み前にvalidateしても所詮はユーザの手元でのチェック。
ユーザに与えた権限は開発者の意図しない形で行使されるものと思うべき。

Androidアプリなんて逆コンパイルして再ビルドして実機にインストールするくらいのことは出来る。
特に危ないのがAndroidアプリで中身がC#で書かれてるアプリ、あんなもん完全に逆コンパイルしてくださいと言っているようなもの。

なのでFederated Identityで安易に権限を与えてはいけない。
権限を与えるにしてもポリシーでギチギチに固めるべき。

認証情報やアカウント情報など保護すべきデータを保持しない

認証情報はOpenID Connect IdP(今回はFacebook)が管理。
アカウント情報はCognito UserPoolが管理。
ApiGatewayの認証はCognito UserPoolで。
IoT(MQTT)の認証はCognito Federated Identity。
権限はCognito Federated Identityに紐づけてIAMロールとIoTポリシーで管理。

DynamoDBにはUserPoolのsubしか持たない。
なのでOpenID Connect IdPがクラックされない限り、認証情報や個人情報を抜くことも出来ないし、権限を得ることも出来ない。

WebAPIを実行する時の認証

Webアプリ/ネイティブアプリ共通。
Cognito UserPoolのJWTトークンで認証する。

構成:
ブラウザ ー(HTTPS)→ Cognito UserPool ー(OpenID Connect)→ Facebook

認証:
UserPoolで認証して、DynamoDBのAccountテーブル(UserPoolのsubがキー)でBreweryテーブルに対する権限をチェックする。

ネイティブアプリ:IoT Core(MQTT)でPub/Subする時の認証

前提となる問題点:
MQTTでの認証はFederated Identity。
UserPoolで認証できればBreweryとの紐付けチェックは簡単だけど、Federated Identityからチェックしなければいけない。

構成:
Cognito Federated Identity ー(統合)→ Cognito UserPool

事前準備:
Breweryが作成されたタイミングで、Brewery単位でIoTポリシーを作成。
AccountテーブルとBrewreyテーブルが紐づくタイミングで、Federated Identity IDに対してBrewery単位のIoTポリシーをattach。
これでFederated IdentityからIoTポリシーベースでBreweryに対して権限があるか否かを判定できる。

認証:
MQTTではFederated Identityで認証して、Accountテーブル(UserPool認証)を経由することなくBrewreyに対して権限があるものにのみConnect/Pub/Sub権限が与えられる。

DynamoDB Streams、冪等性を以て整合性を保証する

冪等性が保証されることで、テーブル間の整合性を保証する流儀について。
分散DBが当たり前のこのご時世、トランザクションを使ってAll or Nothingで整合性を取る時代は終わった。
Streamsでlambdaを起動することで、Push型のObserverパターンとしてlambdaでレコードを数珠つなぎに処理出来る。
今回の設計でいうとStreamsで仕込み配合の更新をトリガーして、仕込み単位の作業日程に展開して、複数の仕込みを集計して実作業用のレコードを作るということをしている。
Streamsのエラー制御により冪等性が保証されることで、最初のレコードの状態に対する後続テーブルの対応レコードの状態を保証出来る。

生酛系酒母と天然醸造醤油の比較

目的が違えば選択すべき菌も変わってくるし、環境が違えば生き残る菌も変わってくる。
麹菌、乳酸菌、酵母の3つについて、性質や役割を生酛系酒母と天然醸造醤油で比較していく。

流れを確認しながら比較するためにまとめたけどこの程度の概要ではちゃんと理解するには至らないので、この記事を読んで全体像を把握したらリンクした引用元や参考文献を全部読むべきかなと思う。
日本酒と醤油の相互理解、全体像と流れを把握し、更に詳細を掘っていくための索引としては価値があるかなと。

麹菌

まずは仕込みや麹造り以前に種麹の話。

生酛は「乳酸を添加しないもの」ではなく「自然の乳酸菌を取り込んでpHを下げるもの」と捉えて分類する。
そして「麹由来のクエン酸でpHを下げるもの」を焼酎系として分類する。
焼酎系は余談程度で。

詳しいことは、麹学(村上英也 編著) P195「育種の対象とすべき麹菌の性質」あたりに書いてある。

生酛

清酒用麹菌として具備すべき性質。

1)蒸米によく繁殖すること,繁殖速度の速いこと
2)アミラーゼ力の強いこと
3)清酒の雑味二を少なくするためにプロテアーゼカの比較的弱いこと
4)香りのよい米麹を造ること
5)胞子着生がよく種麹が造り易いこと
6)長い胞子柄は機械製麹において堆積層の空気流を妨害するので,胞子柄の短いこと
7)火落菌の生育必須因子であるMVAを生産しないこと
8)黒粕防止の意味から米麹を褐変しないこと(チロシナーゼを生産しないこと)
9)DFを生産しないこと
清酒醸造微生物学の進歩(1)

使われる麹菌の種類は以下の通り。

・Aspergillus oryzae (ニホンコウジカビ)
黄麹菌。
日本酒用、甘酒用といえばこれ。

でんぷんを分解する酵素であるα-アミラーゼ遺伝子、α-グルコシダーゼ遺伝子は複数個存在することが分かり、このことがA. oryzaeの清酒醸造で必要な高アミラーゼ生産の理由のひとつと考えられます。
麹菌ゲノム解読 | キッコーマン

ニホンコウジカビ - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%93

焼酎系

一般的には泡盛、焼酎用。
クエン酸を多く生産する。

使われる麹菌の種類は以下の通り。

・Aspergillus luchuensis (アワモリコウジカビ)
黒麹菌。
古い分類ではAspergillus awamoriとされていたので古い文献を見る時は注意。

・Aspergillus luchuensis mut. kawachii
白麹菌。
Aspergillus luchuensisの突然変異種。

ニホンコウジカビ(A. oryzae)と異なりクエン酸の生産力が強く雑菌の繁殖が抑えられもろみが腐敗しにくい。
アワモリコウジカビ - Wikipedia

焼酎系麹菌を醤油醸造に用いるとポン酢醤油のような風味の醤油になるらしい。

醤油醸造に用いられている麹菌は、Aspergillus oryzaeとA. sojaeである。
麹菌以外の黒麹菌や他のAspergillus属での醤油醸造の検討が行われたが、黒麹菌はクエン酸を多量に生成するため、ポン酢醤油のような風味の醤油となり、結局は上述の2種類の麹菌が、醤油醸造に最も適した黴であると考えられる。
身近で活躍する有用微生物 食品と有用微生物-和食文化と微生物4 醤油と味噲の微生物

アワモリコウジカビ - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%93

醤油

醤油用麹菌に求められる性質。

1)たんぱく質を分解するアルカリプロテアーゼ・中性プロテアーゼの生産能が高く、
2)アミノ酸化を高めるアミノペプチダーゼ・グルタミナーゼが強く、
3)食物組織崩壊に寄与するペクチンリアーゼなどの酵素を生産能が高く、
4)適量のアミラーゼと酸性プロテアーゼを生産し、
5)生育速度が大きく、
6)製麹中の糖消費が多くなく、製麹作業性に優れ、
7)種麹の分生子着生が良好で、
8)マイコトキシン非生産性であること
麹学(村上英也 編著) P196「育種の対象とすべき麹菌の性質」(iii)醤油麹菌

使われる麹菌の種類は以下の通り。

・Aspergillus sojae
黄麹菌。

A. sojaeとA. oryzaeのゲノムを比較したところ、A. sojaeはA. oryzaeと同様に多数のタンパク質分解酵素をもつこと、また、A. sojaeに固有のタンパク質分解酵素遺伝子も複数個存在することが明らかになりました。
しょうゆ醸造では、主原料である大豆たんぱく質を分解するために、麹菌には高いプロテアーゼ活性が求められます。
A. sojaeがA. oryzae以上にプロテアーゼ遺伝子を多数もつことは、A. sojaeがしょうゆ醸造で利用されている理由の1つであると考えられます。
また、A. oryzaeはゲノム中に3つのα-アミラーゼ遺伝子をもちますが、A. sojaeは1つだけでした。
麹菌ゲノム解読 | キッコーマン

・Aspergillus oryzae (ニホンコウジカビ)
黄麹菌。
中でも高いたんぱく質分解能をもつ株が使用される。

味噌・しょうゆ製造ではA. sojaeあるいはA. oryzaeの中でも高いたんぱく質分解能をもつ株が使用されています。
麹菌ゲノム解読 | キッコーマン

・Aspergillus tamarii (タマリコウジカビ)
黄麹菌。
たまり醤油用の麹菌。
情報がさっぱり出てこないので詳細不明。

A.tamariiの使用頻度は著しく少ない。
醤油醸造微生物学の進歩(1)

麹菌ゲノム解読 | キッコーマン
https://www.kikkoman.com/jp/quality/research/about/soysauce/genome.html

製麹

以前書いた別の記事を参照。
これも日本酒と醤油を比較しつつまとめてある。

醤油用の麹造り - よしだ’s diary
https://yoshida-eth0.hatenablog.com/entry/2021/08/03/040606

微生物の遷移

ここからは酒母中、諸味中での微生物の働きについて。
まずは全体像の流れを。

生酛
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清酒醸造微生物学の進歩 (4)

生酛特有の微生物遷移。

打瀬の初期に栄養分が少なくても低温で生育できる硝酸還元菌(Pseudomonas, Enterobacter,その他水棲細菌,産膜酵母)が生えて,汲水中の硝酸を還元して亜硝酸を生成する(最高で10ppm)。
次いで溶解が進み糖分が多くなると,低温で生育できる乳酸菌が生えて乳酸が生成し,亜硝酸と乳酸,濃糖,低温の相乗作用で野生酵母,細菌が死滅するか極端に弱まる。
これは予定しない早い時期に野生酵母などによる増殖がはじまる(早湧き)を阻止するための重要な作用である。
その後品温の上昇とともに乳酸発酵が進み,物量は酸性(pH3.5 ~ 4)となり,硝酸還元菌も含めて雑菌は殆どいない状態になる。
この頃になると亜硝酸は消え,糖分,アミノ酸が増え,酵母の栄養分も十分となり,酒蔵に棲み付いた優良な家付き清酒酵母が生育してくる。
あるいは隣の発酵中の酒母を入れたりする(差酛)。
乳酸菌は生成アルコールのために死滅する。
「生酛造り」に関する一考察

生酛系酒母・生酛 | 灘の酒用語集
http://www.nada-ken.com/main/jp/index_ki/224.html

醤油
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醤油醸造での醤油乳酸菌の働きとその影響

乳酸菌の死滅から酵母の増殖について。

醤油乳酸菌は,乳酸発酵後期になると諸味pHの低下に伴い死滅に向かい,代わって酵母が増殖しアルコール発酵が始まる.
ところが,後述するアミノ酸分解株には,速やかに死滅せずに,発酵後期まで生残するものが存在する.
このような醤油乳酸菌株がメインで働いた諸味では酵母の生育が阻害され,その結果,アルコールと芳香が低い醤油となる場合がある.
また,通常,乳酸菌の後に増殖する酵母が醤油乳酸菌と同時期に増殖すると,醤油乳酸菌の生育が阻害され乳酸発酵が微弱となる場合があることが報告されている.
醤油醸造での醤油乳酸菌の働きとその影響

乳酸菌

生酛

生酛酒母中で生育する乳酸菌は2種類。
硝酸還元菌が生成した亜硝酸が野生酵母の発育を抑制し、低温で仕込むことによって低温耐性のあるこれらの乳酸菌のみが生育する。

・Leuconostoc mesenteroides var. sake
ヘテロ乳酸発酵、通性嫌気性、グラム陽性菌、非運動性、非胞子性、球形。

・Lactobacillus sake
条件的ヘテロ発酵型、グラム陽性、桿菌。

生酛系酒母中の乳酸菌は球菌としてLeuconostoc mesenteroides var. sake,桿菌としてLactobacillus sakeの2種類に限られることが明らかになった。
まず生育の早い球菌が増殖し,2~3日遅れて桿菌が増殖する。
乳酸菌がこの2種類に限られるのは低温が制限因子となっているためで,4℃においてLeuc. mesenteroidesは生育に7~9日,L. sakeは9~14日を要するが,他の乳酸菌は4℃では生育不可能である。
清酒醸造微生物学の進歩 (4)

生酛中の乳酸菌は球菌のLeuconostoc mesenteroidesと桿菌のLactobacillus sakeiにほぼ限定される。
一般に生酛においては最初に球菌が生育し,ついで桿菌が生育する,優占乳酸菌の遷移が起こっているといわれている。
球菌が先に優占乳酸菌となるのは,麹から分離される乳酸菌のほとんどがL. mesenteroidesであること,球菌は栄養要求性が単純であり,生酛初期の栄養分の少ない環境で良好に生育できることが原因であると考えられている。
そして次にL. sakeiが優勢となるのは,乳酸酸性下において亜硝酸耐性の弱いL. mesenteroidesが死滅した後に,亜硝酸耐性の強いL. sakeiが生育してくるためであると言われている。
生酛においてLactobacillus sakeiを優占菌とする増殖因子

一般的に言われているのは上記の2種類だが、以下の論文を見るにLactobacillus curvatusという乳酸菌も酒母中で生存できるらしい。

分離乳酸桿菌B1株およびB2株は,16S rDNA配列解析から,解析した約500bpの配列で,L. sakeiおよびLactobacillus curvatusと100%の相同性を示し,いずれかの菌種であると推定された.
これらのことから,分離乳酸桿菌2株は,L. sakeiではなく,L. curvatusと同定した.
分離乳酸桿菌は,既述のようにL. curvatusであったが,L. sakeiと同程度の低温生育性,アルコール感受性および低pH生育性を有していた.
以上の結果から,分離乳酸球菌L. mesenteroidesと分離乳酸桿菌L. curvatusは,生酛系酒母中で増殖することを示唆しており,生酛系酒母製造安定化のための添加乳酸菌としての活用が期待できる.
県内酒造場の山廃酛から分離した乳酸菌とその性質

硝酸還元菌 | 灘の酒用語集
http://www.nada-ken.com/main/jp/index_shi/214.html

乳酸菌 | 灘の酒用語集
http://www.nada-ken.com/main/jp/index_ni/216.html

Leuconostoc mesenteroides - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Leuconostoc_mesenteroides

Latilactobacillus sakei - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Latilactobacillus_sakei

乳酸菌の種類|株式会社農(みのり)
http://www.minori-lab.com/lacto2.html

醤油

醤油諸味中で生育する乳酸菌は1種類。
高い塩分濃度によって雑菌の発育を抑制し、耐塩性のある乳酸菌のみが生育する。

・Tetragenococcus halophilus
ホモ乳酸発酵、グラム陽性、好気性、中程度の好塩菌、非運動性、球菌。
生育にもっとも適した食塩濃度は5~10%、24%の食塩濃度でも生育が可能。
育成温度は10〜45℃。
生育pHは5.0〜9.0。

醤油乳酸菌Tetragenococcus halophilus(以下,醤油乳酸菌)は,1907年に醤油諸味から分離され,その後,諸味の発酵と熟成に関わる主要な微生物として性質などが明らかにされた.
また,一般的な乳酸菌の性質と大きく異なる点は耐塩性であり,生育にもっとも適した食塩濃度は5~10%であるが,24%の食塩濃度でも生育が可能である.
醤油醸造での醤油乳酸菌の働きとその影響

乳酸菌の役割。

この菌の役割は味噌,醤油諸味の中で乳酸を生成し,諸味のpHを下げ,食塩含有の中で増殖する耐塩性酵母の増殖最適pHにする.
また低いpHは味噌や醤油の変質や微生物の汚染を防ぎ,保存性を増す効果がある.
例えば,仕込後の諸味発酵期間中に味噌や醤油の有害菌である産膜性酵母(Hansenula,Pichia,Debaryomyces属菌)や細菌の菌数がpHの低下と熟成とともに減少し,最後にはほとんど検出されない.
味噌,醤油の微生物

テトラジェノコッカス属 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8E%E3%82%B3%E3%83%83%E3%82%AB%E3%82%B9%E5%B1%9E

漬物と微生物
https://www.eiken.co.jp/uploads/modern_media/literature/MM1511_04.pdf

A. oryzae麹を使って醤油を仕込む場合

A. oryzae麹はA. sojae麹よりもクエン酸含量が多いので諸味初期のpHが低くなる。
初期のpHが低いため諸味中での醤油乳酸菌の生育が不振で乳酸や酢酸の生成が少なく、熟成によるpHの低下が緩やか。

A.sojae No.9麹の諸味ではpH低下が速やかで,熟成60日において平均4.81とすでに通常の醤油のpHに近似していた。
これは熟成初期に乳酸菌の増殖が速やかで,乳酸,酢酸が多く蓄積されたためと考えられた。
これに対し,A.oryzae S-03麹の諸味ではpH低下が緩やかで,熟成60日で平均4.96と高く,生醤油で平均4.85に達した。
これは熟成のほぼ全期間を通じて徐々に乳酸発酵が行われたことが主因と思われた。
Aspergillus sojaeとAspergillus oryzaeを使用した醤油麹及び醤油の比較

酵母

生酛

・Saccharomyces cerevisiae
清酒の他にもビールやワイン、パンなどを造るときに用いられる醸造酵母

酵母の一種で、「出芽酵母」や「パン酵母」というと一般的にこの種を示します。
S. cerevisiaeは糖を代謝しアルコール発酵を行うことが大きな特徴です。
サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) の特徴 – 株式会社テクノスルガ・ラボ

清酒酵母を分類上Saccharomyces sakeに分けるべく研究している人も。

日本の文化である日本酒の醸造において、清酒酵母S. sakeとビール、ワイン、パン等に用いられるその他の醸造酵母S. cerevisiaeとを区別できなければ、より良い『清酒醸造を行うことはできません。
清酒酵母S. sakeの研究を積極的に行い、清酒酵母S. sakeとS. cerevisiaeを実用や嗜好に左右されることなく、微生物学的に区別、分類することが、清酒醸造従事者にとって不可欠であり、意義があります。
研究室トピックス|醸造微生物学研究室 | 東京農業大学

酵母添加タイミングについて。

かつては蔵内に存在していた蔵付き酵母が自然に育てられたが、現在では醸造の安定化のために優良酵母を添加する場合も少なくない。
酵母を添加する場合は、亜硝酸によって増殖が阻害されないように、酒母中の亜硝酸反応が消えてから添加する。
生酛系酒母・生酛 | 灘の酒用語集

家つき酵母・蔵つき酵母 | 灘の酒用語集
http://www.nada-ken.com/main/jp/index_i/189.html

清酒酵母 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E9%85%92%E9%85%B5%E6%AF%8D

出芽酵母 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%BA%E8%8A%BD%E9%85%B5%E6%AF%8D

醤油

耐塩性のある酵母のみが生育する。

醤油づくりで活躍する酵母は大きく2つ。主発酵酵母と後熟酵母です。
まず主発酵酵母ブドウ糖を元にアルコールを生み出し、乳酸菌がつくり出した有機酸と化学反応をして複雑な香りをつくりだします。

続いて、主発酵酵母の活動が落ち着き熟成期に入ると後熟酵母にバトンタッチ。
小麦の皮の成分から熟成香に分類される燻製のような香りを出し風味に深みを与えるなど、ゆっくりゆっくりと活動していきます。
この深みは一年以上醸造した醤油でないと出てこないといわれています。
酵母菌 | 職人醤油 - 醤油を使い分けると、食はもっと楽しくなる!

・Zygosaccharomyces rouxii
主発酵酵母
発酵適温は28℃前後。
pHが5.4以下で活動。

しょう油もろみ,味噌の主発酵酵母で,pHが5.4以下で活動する。
しょう油もろみの酵母発酵は,この菌の適温である28℃前後に90日程度保持して,その菌数は最低105/g,通常106/9以上とし,3~4%のアルコールを生成させることが必要とされている。
ここで留意しなければならないのは,しょう油もろみの酵母発酵はアルコールそのものが最終の目的物ではない点で,アルコールは単に香気成分の一つの指標であり,この程度まで発酵すればその他のしょう油香気成分が副成してくる目安が得られる。
熟成に関する微生物について

・Candida versatilis, Candida etchellsii 等
後熟酵母
古い分類ではTorulopsisに属していたので古い文献を見る時は注意。

Tomlopsis属酵母のある菌株はしょう油もろみの後熟酵母として,とくにしょう油香を特徴づける4エチルグアヤコールの生成能を有する点から注目されるようになった。
S. roumxiiよりもかなり細胞が小型で,好塩的性格を有し,醸造後期に除々にその影響を現わす。
熟成に関する微生物について

酵母の役割。

酵母の役割は原料臭,未熟臭(豆臭,米臭など),温醸臭などの消失や悪い臭いのマスク,味噌や醤油の芳香の付与(4-エチルグアヤコールが醤油の香と言われていたが醤油の香が強すぎるため,4-Hydroxy-2(or5)-ethyl-5(or2)-methyl-3(2H)-furanoneが醤油の塩味をやわらげ,まろやかな味にし,醤油のカラメルのような甘い香をもち,品質の良い醤油に含まれ,また酵母菌体の自己消化によりゴク味や,おし味を付与し,Z.rouxiiの増殖に伴なってコハク酸が生成され,旨味を増している.
味噌,醤油の微生物

熟成に関する微生物について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/66/7/66_7_675/_pdf

耐塩性酵母 Zygosaccharomyces rouxii の生理特性(1)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/92/11/92_11_783/_pdf/-char/ja

酵母菌 | 職人醤油 - 醤油を使い分けると、食はもっと楽しくなる!
https://www.s-shoyu.com/knowledge/0711

A. oryzae麹を使って醤油を仕込む場合

A. oryzae麹はA. sojae麹よりも、pH低下が緩やかなため適正添加時期(pH5.0~5.2のとき)が長い。
酢酸が少ないので阻害を受けずアルコール発酵が強いが、熟成の後半では一部が揮散し最終的に差はなくなる。

(A.sojae No.9麹の諸味について)アルコール発酵が弱いのは醤油酵母が諸味中の酢酸によって阻害を受けているためと思われた。
したがって,A.sojae No.9麹で諸味を仕込む場合には,諸味pHの推移を厳密に把握し,培養酵母の適正添加時期(pH5.0~5.2のとき)を逸しないようにする必要がある。
Aspergillus sojaeとAspergillus oryzaeを使用した醤油麹及び醤油の比較

A.oryzae S-03麹の諸味は熟成の早い時期にアルコールが生成したために熟成の後半で一部揮散し,逆にA.sojae No.9麹の諸味はアルコール生成が遅れていたものの,徐々にA.oryzae s-03麹による諸味のレベルに追いついたためと考えられた。
Aspergillus sojaeとAspergillus oryzaeを使用した醤油麹及び醤油の比較

醤油造りの仕込み配合の重量換算と塩分濃度の計算

今回は醤油造りにおける麹の仕込み配合の体積から重量への換算、原料と麹の水分量の計算、汲水の配合と塩分濃度の計算について。
前回の水分量計算の訂正も含めて。

前回の記事はこちら。
醤油用の麹造り - よしだ’s diary

原料の単位

原料は重さ(kg)ではなく体積(リットル)で量る。
「大豆:小麦=50:50」と言えば、大豆と小麦を同じ体積使うという意味。
「11水」と言えば、大豆の体積+小麦の体積の11割の塩水を使うという意味。

体積と重さの換算は以下の通り。
・大豆 1kl = 720kg
・脱脂加工大豆 1kl = 600kg
・小麦 1kl = 750kg

第6表 こいくちしょうゆの仕込配合割合の一例

現在
元1石 仕込割合 元1kl 仕込割合
大豆 35貫 1石 720kg
脱脂加工大豆 29貫 600kg 333kg(元0.55kl)
小麦 36貫 1石 750kg 333kg(元0.45kl)
食塩 32貫 1石
食塩水 23% 食塩水 1.2kl
1石 (12水)
元2石仕込 元1kl仕込

しょうゆの適正製造基準の作成とその要点(2)

大豆:小麦=50:50で仕込みたい場合、大豆1kgに対して小麦1.042kg、小麦1kgに対して大豆0.96kgとなる。
大豆1kgと小麦1kgで仕込んだ場合、割合は大豆:小麦=51.02:48.98となる。

脱脂加工大豆1kgと小麦1kgで仕込んだ場合、割合は脱脂加工大豆:小麦=55.556:44.444となる。

原料と麹の水分量

前回示した製麹経過での水分量。
これは原料を0とした歩合ではなく、水分の含有量。

盛り込み時:40.7%
2番手入れ:34.4%
出麹:27.6%
醤油の丸大豆仕込みについて P625 第3表

日本酒造りでは「出麹歩合」という言葉があるけど、醤油造りでは歩合ではなく水分量を量る。
日本酒の場合は麹歩合が20%程度なのに対し醤油の場合は100%なので、全体量から重量を量るよりも一部をサンプルして水分量を量る方が合理的ということなのかなと思う。(不明)

一般家庭では水分の含有量を測るのは難しいので、原料の水分量から計算する。
公式はこちら。

水分を除いた原料重量 = 原料重量 * (1 - 原料水分量)
出麹時水分量 = (出麹時重量 - 水分を除いた原料重量) / 出麹時重量

原料の出荷時水分量は以下の通り。

大豆。

出荷水分の15%以下まで乾燥を行います。
大豆の収穫・乾燥調製作業/千葉県

小麦。

乾燥仕上がり水分はビール麦で12%以下、小麦で12.5%以下、六条大麦で13%に調製します。
ホームページをリニューアルいたしました。 | JA全農さいたま

こういう仮定で例を計算してみる。
・大豆1リットル、小麦1リットルで仕込む。
・原料の時点での水分量は大豆14%、小麦12%。
・大豆は蒸すと原料の240%の重量になる。
・大豆は放冷すると原料の200%の重量になる。
・小麦は炒ると原料の95%の重量になる。

大豆 (水分量) 小麦 (水分量) 大豆+小麦 (水分量)
原料体積 1000ml (14.00%) 1000ml (12.00%) -
原料重量 720g (14.00%) 750g (12.00%) -
水分を除いた原料重量 619.2g (0.00%) 660.0g (0.00%) -
蒸豆 1728.0g (64.17%) - -
放冷蒸豆 1440.0g (57.00%) - -
炒り小麦 - 712.5g (7.37%) -
盛り込み時 - - 2152.5g (40.57%)

盛り込み時の水分量目標値40.7%にだいぶ近い数値となる。

汲水の塩分濃度

醤油の種類によって出来上がった醤油の塩分濃度は変わるはずだけど、醤油の種類による塩分濃度や塩水の配合などは見つからなかった。
理屈はわからないけど食塩水の濃度は以下のように定めているらしい。
塩も体積で量るのではないかと思うけど、具体的な数値は探した限り重量換算のものしか見つからなかった。

元1kl当り12水の場合総食塩として268kgを使用し,食塩水の濃度は22.30と定めてある。
しょう油もろみの製造方法 1.原料の配合割合と汲水

プログラム

Gistにアップした。
example1がこの記事で例に上げた計算。
醤油造りにおける麹の仕込み配合から重量への換算、汲水の配合と塩分濃度の計算 · GitHub

醤油用の麹造り

丸大豆醤油を仕込むことにしたので醤油用の麹造りについて調べた。
日本酒造りの知識をベースに解釈していく。

調べ方が悪いのか、J-Stageで論文を探しても日本酒よりも情報が少ない気がする。
その中でも多くが脱脂加工大豆を用いた醤油造りについてで、丸大豆を用いた醤油造りに関しては特に少なめな印象。

原料と原料処理

日本酒用の米麹の場合

原料は、米、アミラーゼ力価の高い黄麹の種麹。

米を浸漬させ27%程度吸水させ、米を蒸す。
種麹を蒸米に振る。
その後、温度管理を行う。

醤油用の大豆麹の場合

原料は、大豆、小麦、プロテアーゼ力価の高い黄麹の種麹。

大豆を一晩浸漬させて115%程度吸水させ、大豆を蒸す。
小麦を炒って砕き、種麹を混ぜる。
蒸した大豆に、炒って砕いた小麦と種麹を混ぜる。
その後、温度管理を行う。

浸漬歩合について。

一般に丸大豆の浸漬は原大豆の約2.2から2.3倍に膨潤するまで行うのが良いとされており,浸漬に要する時間は10℃で16時間,15℃で13時間,20℃で10時間,25℃で8時間程度が適当である(第1図)。
この条件では米国産丸大豆の吸水率は115%まで達し,また蒸煮圧2.0kg/cm2まで充分蒸煮が可能である。
醤油の丸大豆仕込みについて P624

大豆の浸漬時間を生み出す方程式。
それは、『30-水温=浸漬時間』。
30というのは基準値として前提にあり、そこから大豆を浸漬する水の温度を引くと浸漬すべき時間が算出できる、という魔法のような計算式です。例えば、水温が18度だとすると、大豆の浸漬時間は12時間でよいことになります。
大徳醤油さんに教わる醤油づくりA to Z 醤油じかん上級編(前編) - haccola 発酵ライフを楽しむ「ハッコラ」

小麦を炒る目的について。

小麦処理の主な目的は,原料の熱殺菌もさることながら,多量に含まれる小麦でんぷん質のα化によって,麹菌のアミラーゼの作用を受け易くすること,および粉合せ工程での蒸煮大豆に付着性をよくすることにより表面水分を調節して麹の雑菌汚染を抑制し,製麹操作を安全に容易にする事などがあげられている。
しょうゆの基本技術 (その1)原料処理から製麹まで P44

原料割合と醤油の種類

大豆と小麦の原料割合によって醤油の種類が変わる。

以下のように分類される。

大豆:小麦 種類
100:0 〜 70:30 たまり醤油
60:40 〜 40:60 濃口醤油、薄口醤油、再仕込み醤油
30:70 〜 10:90 白醤油

仕込みの熟成期間に関しては、小麦の割合が少ない程長くなる。
白醤油が0.5〜1年、たまり醤油が2〜3年。

しょうゆ醸造における原料配合と小麦の問題点 P18
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/76/1/76_1_18/_pdf

醤油の種類 | 職人醤油 - 醤油を使い分けると、食はもっと楽しくなる!
https://www.s-shoyu.com/knowledge/0301

原料の役割

大豆は麹菌によってタンパク質がアミノ酸へと分解され旨味となる。
小麦は麹菌によってデンプンがブドウ糖へと分解され甘みや香りとなる。

小麦を砕く理由は2つ。
細かい粒子で大豆同士の付着を防ぐ。
粗い粒子で大豆同士の間に隙間を作り、通気性をよくして麹菌の育成を助長、品温調節をやりやすくする。

大豆のたんぱく質がうま味成分のアミノ酸に分解され、小麦のでんぷんが甘味や香りのもとになるブドウ糖に分解されます。
醤油の原材料 | 職人醤油 - 醤油を使い分けると、食はもっと楽しくなる!

麹菌が出す酵素が働きやすくなるように、栄養源となる役割も小麦にはあります。味噌にも米や大麦が入っている米みそ・麦みそがありますが、これも大豆だけだとなかなか分解が進まないため、酵素の働きをよくするために入れられている面もあるのです。
実際普通の醤油の熟成期間が半年程なのに対し、小麦を使わないもしくは使っても少量だけのたまり醤油は、熟成期間が非常に長く2年から3年かけて出来上がります。米や大麦を使わない豆味噌(八丁味噌)の場合も同様です。
またブドウ糖は、乳酸菌と酵母によってアルコールや乳酸になり、しょうゆの味と香り成分に繋がっていくのです。なので、もし小麦が入っていなかったら、普段使っているような醤油の甘みや香りといったものは出来てこないことになります。小麦はやはり必要な原料なんですね。
醤油の原材料表示の謎を紐解く ~その1:なぜ小麦が必要なのか?~ | 旅する食卓 - table trip

割砕は4~5つ割の粒子(特に皮目の部分)と細かい粉状の粒子とがそれぞれ必要量共存する様に,二極化した作業が要求される。
割砕された細かい粒子は粉合せ作業の際,蒸煮大豆に付着して表面を被覆して表面水分を低下させ,ねばつかせずさらさらにして細菌の汚染や蒸煮大豆粒子相互の粘着を防止し,麹菌生育の表面積の確保に貢献している。
一方では粗い粒子は蒸煮大豆間に分散介在し空隙を作り,その結果通気性がよくなって麹菌の生育が助長され盛込原料の平均化がはかれ,品温調節もやりやすくなる。
しょうゆの基本技術 (その1)原料処理から製麹まで P46

目標水分量

盛り込み時:40.7%
2番手入れ:34.4%
出麹:27.6%
醤油の丸大豆仕込みについて P625 第3表

これは浸漬して蒸して倍以上に増えた大豆と炒って水分の抜けた小麦を合わせたものを計算しているのではないかと思う。

例えば大豆1kgと小麦1kg(原料割合50:50)で濃口醤油を作るとして、蒸し大豆2kg、炒り小麦0.8kgになった場合、
(2 + 0.8) / (1 + 1) = 1.4
と水分量40%となるため、だいたいそれっぽい数字になる。

(※追記:間違っていたので訂正→ 醤油造りの仕込み配合の重量換算と塩分濃度の計算 - よしだ’s diary)

ということは小麦の割合の低いたまり醤油を作る場合、浸漬時間を短くしたり放冷をきっちりやるなどして水分量を目標値に合わせに行く必要があるのだろうか…?(不明)

たまりしょう油醸造の現状
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/71/10/71_10_750/_pdf

手入れの用語と温度管理

お米と大豆では保つ温度帯も違えば手入れの呼び方も違う。

米麹の場合

引き込み、床揉み、種切り、切返し、盛り、仲仕事、仕舞仕事、最高積替、出麹。
32度くらいで引き込みをして、40度を超えたあたりで出麹、と徐々に温度を上げて出麹を迎える。
アミラーゼ力価を強くするために、プロテアーゼ力価が強くなる32~35度の温度帯を早く通過させ高温を保つ。

豆麹の場合

盛り込み、1番手入れ、2番手入れ、出麹。
28〜30度くらいで盛り込みをして、28〜30度くらいで出麹、と温度を低めに保って出麹を迎える。
大豆は雑菌に弱いので品温を30度以下に保つ必要がある。
30度前半の温度帯であればプロテアーゼ力価が強くなるので旨味の強い麹になる。

手入れの呼び方が米麹のように事細かではないのは、米麹のように温度帯の振れ幅が少ないからだろうか。

以下は具体的な経過の例。

しょうゆの基本技術
(その1)原料処理から製麹まで
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/93/1/93_1_42/_pdf/-char/ja

たくさんある「麹の造り方」を理解するための話と、色々な「麹の造り方」|村井裕一郎|note
https://note.com/ymurai_koji/n/nda5f61f93653

天然醸造と速醸

ここからは製麹ではなく諸味の話。

日本酒で速醸と言えば、酒母に乳酸を添加することを指す。

醤油で速醸と言えば、乳酸菌や酵母を添加して温度を操作する醸造手法を指す。
天然の微生物が住み着かないステンレスのタンクなどで作られる。
醸造期間は半年程度。

天然醸造とは、乳酸菌も酵母無添加、温度管理も自然に任せる醸造手法。
天然の微生物が住み着く木桶などで作られる。
醸造期間は1〜2年程度。
日本酒で言うと酵母無添加生酛造りと言ったところだろうか。

酵素添加による速醸法というのもあるらしい。
醸造期間は2週間程度。
日本酒で言うと酵素剤を使った普通酒のような作り方だろうか。

酵素添加による速醸法
仕込工程初期に酵素剤を添加することで醸造期間を短縮する技術がある[50]。しかし、この場合は醤油業中央公正取引協議会の業界基準により、製品表示に「天然」「生」等の用語を利用することができない。
醤油 - Wikipedia

「笛木醤油」は、木の桶で2年間発酵・熟成…代々受け継がれた醸造方法とは | 無料のアプリでラジオを聴こう! | radiko news(ラジコニュース)
https://news.radiko.jp/article/station/FMJ/34076/

参考文献

論文とか

しょうゆの基本技術
(その1)原料処理から製麹まで
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/93/1/93_1_42/_pdf/-char/ja

しょうゆの基本技術
(その2)仕込みから製成まで
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/93/2/93_2_120/_pdf/-char/ja

醤油の丸大豆仕込みについて
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/82/9/82_9_623/_pdf/-char/ja

しょうゆ醸造における原料配合と小麦の問題点
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/76/1/76_1_18/_pdf

たくさんある「麹の造り方」を理解するための話と、色々な「麹の造り方」|村井裕一郎|note
https://note.com/ymurai_koji/n/nda5f61f93653

基礎の基礎 | 職人醤油 - 醤油を使い分けると、食はもっと楽しくなる!
https://www.s-shoyu.com/foundation/know01

大徳醤油さんに教わる醤油づくりA to Z 醤油じかん上級編(前編) - haccola 発酵ライフを楽しむ「ハッコラ」
https://haccola.jp/2018_07_05_7487/

大徳醤油さんに教わる醤油づくりA to Z 醤油じかん上級編(後編) - haccola 発酵ライフを楽しむ「ハッコラ」
https://haccola.jp/2018_07_21_7638/

醤油蔵の動画

How Soy Sauce Has Been Made in Japan for Over 220 Years — Handmade
https://www.youtube.com/watch?v=P6bk_AGu5mw

醤油の作り方 弓削多醤油「醤遊王国」の紹介 How it’s made soy sauce: Introduction of Yugeta Shoyu
https://www.youtube.com/watch?v=bW7zGb6gI8o

【2020年】八木澤商店の大原工場【しょうゆができるまで】
https://www.youtube.com/watch?v=jyWqGsXW4Rw

弓削多醤油(埼玉県坂戸市)の醤油蔵見学
https://www.youtube.com/watch?v=mAnLSE8ebXc

家庭向け醤油の作り方

豆麹の作り方|はじめてでも分かりやすい動画つき -Well Being -かわしま屋のWebメディア-
https://kawashima-ya.jp/contents/?p=671

醤油作り
http://www.ajiwai.com/otoko/make/syou.htm

2018年、醤油作りの第一弾!長白菌で醤油を作ってみた。 - 自家製ラボ
https://hokkori-meshi.com/soy-sauce2/

2018年醤油仕込み第二弾!強力粉の量を減らしてみた - 自家製ラボ
https://hokkori-meshi.com/soy-sause-2018/

醤油の材料【大豆・小麦・麹菌】について知ると手作りの楽しみ倍増 - 自家製ラボ
https://hokkori-meshi.com/soy-sauce-material/

家庭で作る!自家製醤油の作り方【小麦粉を使って・発酵器はなし】 - 自家製ラボ
https://hokkori-meshi.com/soy-sause-matome/

大豆300gフードコンテナとオーブンで醤油作り - 自家製ラボ
https://hokkori-meshi.com/soy-sauce-small/

豆麹作りに挑戦! - オトコ中村の楽しい毎日
https://otokonakamura.com/mamekoji/

摂取カロリーと消費カロリーを計算して体重増減の予測をする

総消費カロリーよりも摂取カロリーが多ければ体重は増える。
摂取カロリーよりも総消費カロリーが多ければ体重は減る。

ではカロリーってやつはどの程度信頼できるものなのだろうか。
摂取カロリーと消費カロリーを1ヶ月間記録してカロリーからの体重増減の予測と実際の体重推移の誤差を体を張って調べてみた。

計算方法

カロリーの計算式については別の記事にまとめた。
これが前編、この記事が後編みたいな感じ。
摂取カロリーと消費カロリーを計算方法 - よしだ’s diary

今回書いたプログラムは以下。
摂取カロリーと消費カロリーを計算 · GitHub

体重増減を予測する

摂取カロリーと総消費カロリーの実績平均値から未来の体重増減を予測する。

1日だけを見ても、消化能力や消化スピード、食事やトイレのタイミング、炭水化物摂取量による一時的な増減など、成果が数日後に現れるかもしれないし誤差もあるかもしれない。
なので数日間の実績から平均値を算出し未来の体重増減を予測する。

実績値をグラフ化したところで、思ったよりも減った日が2日くらい続いたら「最近調子良いから早ければ明日にはxxを達成しそうだゾ!」とかいらん期待をしてがっかりしたり、逆もまた然り。
だから実績値にどの程度の誤差があるかも算出する。

予測は自分の今までの摂取カロリーと総消費カロリーの実績からの算出なので、間違いなく実現可能な生活。
今までの実績の平均的な生活を続けていけばペースを守って痩せていく。
キツイ目標を掲げている訳ではないので無理がない。

計算方法
今回は初日(2021-05-25)の体組成をベースに、日々の摂取カロリーと総消費カロリーの差分を体重に換算して足していく。
体組成は朝と晩で差が大きいので、朝と晩の平均値を1日の値とした。
筋肉量(基礎代謝量)が変化することは考慮せず、単純に体脂肪のみが増減すると仮定する。
基礎代謝量が変わったらこの計算は狂っていくので、ファクターを減らすために筋肉量の維持を心がける。

2021-05-25から2021-05-31までの期間は摂取カロリーを記録していなかったので、毎日1,200kcal摂取していたということにした。
ジムに通いだしたのが2021-06-08なので、予測には2021-06-08以降のデータを使った。
ウォーキングでの消費カロリーは、Google Fitでのウォーキング時間に2.5METsをかけた値とした。
無酸素運動有酸素運動での消費カロリーは、行った運動の時間にそれに準じたMETsをかけた値とした。
運動種別と筋肉量の増減の傾向を見るために無酸素運動有酸素運動で分けた。

1ヶ月間の実績値と予測値

1ヶ月間の経過
1ヶ月間での増減の実績値。
・体重:4.25kg減
体脂肪率:4.2%減

1ヶ月間での増減の予測値。
・体重:3.85kg減
体脂肪率:4.1%減

実績値と予測値の誤差の偏差。
・体重:0.3kg
体脂肪率:0.24%

以上の結果から、基礎代謝量さえわかればカロリー計算だけで体重増減を予測できると言える。
誤差の偏差は朝晩の差より全然小さいので、なかなか精度高いと思う。

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体重と体脂肪率の推移 (タニタ HealthPlanet)

未来の予測
この生活を続けて筋肉量を維持し続けた場合の予測。
・2021-07-01 体脂肪率19%を下回る。
・2021-07-03 体重70kgを下回る。
・2021-07-06 体脂肪率18%を下回る。
・2021-07-11 体脂肪率17%を下回る。
・2021-07-17 体脂肪率16%を下回る。
・2021-07-22 体脂肪率15%を下回る。

ただし予測からズレる要因は多々ある。
・筋肉量を維持するために摂取カロリーを増やす。
・意図せず筋肉量が落ちて基礎代謝量が落ちる。
・ある程度体脂肪が落ちたら意図的に筋肉量も落として細身にする。
・適当なところで飽きる。
などなど。

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実績と予測

実際の減量生活

食生活
ビタミンとかミネラルとかはサプリでどうとでもなるので考えるのをやめた。
PFCバランスと飽和脂肪酸と塩分はサプリではどうにもならんのでそっちだけに注力することにした。

酒を飲まなくなった。
酒飲みなので基本的に米を食べない生活をしていたので、自ずと糖質制限ダイエットとなった。
酒を飲まなければ日本酒そのものの糖質もなくなるし、〆に炭水化物を欲することもない。

野菜多め。
精進料理のようなおばんざいで酒が飲めるタイプなので、精進料理のようなおばんざいをおかずに生野菜を食べることが別に苦にならない。
ドレッシングは脂質が多いので使わない。
なので炭水化物は低いし脂質も多くはない。

タンパク質は基準値に当てはまるように摂取するように心がけた。
3食自炊するとPFC全てが基準値よりも低くなってしまうので、タンパク質摂取量が低い時はプロテインを飲んで調整した。
プロテインは粉ではなく200mlのパックのものを飲んだ。
粉は試したことないけど、粉よりもストレートの方が美味しいということはアクエリアスで学んだ。

酢酸が内臓脂肪に効くらしいので、黒酢ドリンクを飲むようにした。
希釈タイプの方が割安だったけどストレートのものを飲んだ。
希釈タイプは試したことないけど、希釈タイプよりもストレートの方が美味しいということはカルピスで学んだ。

美味しいものを食べる。
料理はそこそこ出来るので、美味しく高タンパク低脂質でお腹を満たす術はあった。
ただ油をカットすると手がかかるしフライパンも痛むので、そこはトレードオフ感が強い。

タンパク質をちゃんと摂って炭水化物を摂らない食生活はライザップに通ずるものがあるのかもしれない。

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直近7日間の平均摂取カロリーと栄養素 (あすけん)

運動
最初は食事改善と軽い運動で試みていたものの、その生活にも飽きてしまったので途中からジムに通いだした。
無酸素運動は主に筋トレ。
有酸素運動はきつめのやつだとダンス系、軽めのやつだとストレッチ系。

筋肉量は日によって増減はあるものの、1ヶ月を通して筋肉量を54kg前後に維持できたと言っていいように思う。

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筋肉量推移 (タニタ HealthPlanet)

体組成のクセ
夜に比べて朝の方が、体重と筋肉量が減っている。
寝ている間に体から水分が抜けるので減るらしい。
筋トレで疲れ果てて昼寝してから図ったら筋肉量が減っているというケースも。
あまり寝られなかった日の朝は前日の夜と大差ない数値になることも。
風呂に入ると体脂肪率が減る。

やろうと思ったけどやらなかったこと

マルチビタミンとかの複合的なサプリメントを何をどの程度飲めばちょうどいいかを線型計画法で求めようかと思ったけど、手元にあるサプリであまり栄養素が被ってるものがなかったので保留。
行ったり着たりする誤差の周期を離散フーリエ変換とかなんやかんやしたら何か見えてくるかなと思ったけど、まだ周期が見えるほど継続していないので保留。

奇しくも

HUAWEI Band6を買ったにも関わらず、自分で計算した方が正確な消費カロリーを算出できるようになってしまった。
先月まで日本酒の分析や研究をしていたけどやれることはやったかなと思ったらもう飲まなくていいやという思いになり、それを期に突如減量が始まったので抜栓済みの日本酒がタンスの肥やしになってしまった。

摂取カロリーと消費カロリーを計算方法

推定する計算式など、いろいろあってよくわからなかったのでまとめた。

摂取カロリー

タンパク質 = 1gあたり4kcal
脂質 = 1gあたり9kcal
炭水化物 = 1gあたり4kcal

計算方法
あすけんにその日食べたものを全部登録する。
基本的にカロリー不明なものは食べない。
自炊するなら原料を登録。
惣菜買うならPFCバランスや栄養素の書かれたものを買う。
外食するならメニューごとにPFCバランスや栄養素が公表されているチェーン店に行く。
そうすれば摂取カロリーの計算は出来る。

炭水化物抜きダイエットについて
炭水化物を抜いて体重が減ったとしても水分が抜けて一時的に減っているだけ、とはよく言われている。
しかしそれは同じカロリー摂る場合であって、例えばお米を生野菜に置き換えた場合には摂取カロリーは減るのでその分は水分以外の部分が減るのではないかと思う。
ただやはり健康的な方法ではないらしい。

基礎代謝

体組成を測るにあたってタニタの体組成計を買った。
身長、体重、体脂肪率、筋肉量、推定骨量、の5項目から計算していく。
身長、体重、性別、年齢、の4項目から推定することもできるけどあまりあてにはならなそう。

除脂肪体重がわかる場合の計算方法
除脂肪体重がわかっている場合は、キャッチ・マカードルの式を用いる。

370 + 21.6 * 除脂肪体重

ちなみに除脂肪体重の算出は以下。

体重 - (体重 * 体脂肪率 / 100)

除脂肪体重がわからない場合の計算方法
体脂肪率も除脂肪体重もわからない場合は、ハリス・ベネディクト方程式(改良版)を用いて基礎代謝量を推定する。

男性: 13.397×体重kg+4.799×身長cm−5.677×年齢+88.362
女性: 9.247×体重kg+3.098×身長cm−4.33×年齢+447.593

基礎代謝量 - 高精度計算サイト
https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228736

身体活動

身体活動量の計算方法

 身体活動の強さと量を表す単位として、身体活動の強さについては「メッツ」を用い、身体活動の量については「メッツ・時」を「エクササイズ」と呼ぶこととしました。

(1) 「メッツ」(強さの単位)
 身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位で、座って安静にしている状態が1メッツ、普通歩行が3メッツに相当します。
(2) 「エクササイズ(Ex)」(=メッツ・時)(量の単位)
 身体活動の量を表す単位で、身体活動の強度(メッツ)に身体活動の実施時間(時)をかけたものです。より強い身体活動ほど短い時間で1エクササイズとなります。

厚生労働省:標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会第3回資料
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/11/s1109-5g.html

身体活動の強さ
国立健康・栄養研究所が公開している「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」を参考にする。

改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf

総消費カロリー (TDEE・Total Daily Energy Expenditure)

運動している時間はその運動に応じたMETs、運動していない時間は1METsとして24時間の身体活動量と総消費カロリーを算出する。

計算方法

1時間あたりの基礎代謝量 = 基礎代謝量 / 24
エクササイズ = METs * 運動時間
身体活動での消費カロリー = エクササイズ * 1時間あたりの基礎代謝
安静時の消費カロリー = (24 - 運動時間) * 1時間あたりの基礎代謝
総消費カロリー = 身体活動での消費カロリー + 安静時の消費カロリー

カロリーと体重の換算

脂肪1kgを消費するのに必要なエネルギー(カロリー)は、9kcal×1000g×80%=約7200kcal 程になります。

カロリーとは|健康のつくりかた|タニタ
https://www.tanita.co.jp/health/detail/28